肉を飲む。

素敵なことがしたいわ、というのは誰もが思うことではあるが、そんなことは全然関係なく、なるほど歌舞伎町というのはクソのような街で、夜はぼったくり居酒屋のキャッチやキャバクラ、風俗、ガールズバー、危険ドラッグ、窃盗殺人、強盗、信号無視が続出しモラルの崩壊。「そんな夜があってもいいよね、もう突き抜けるようなサ、とびきりハイになって朝までラリりたおそうようベイベー」という話が聴こえるけれども、よく見たらその男は電柱に向かって話しているのであり、スタイルいいよハニーなんつって、なんつっちゃって、完全にラリっているのでありちょうど目の前にあるシミが顔を模しているのか、しきりに話しかけるのを尻目に、なんかやんなっちゃう、と溜息をつくのもこれがまた夜だから。昼間の歌舞伎町はというと閑散としており人通りはまばら。コマ劇あたりに行ってもいるのはDVDあるよおじさんだけでホストも完全にオフ、眠たそうな顔をして歩くメインストリート。

さて、ではなぜ昼間の歌舞伎町にいるかというとやはりシャレオツなカフェであり、足を運んだのはメインストリート入ってすぐの珈琲茶館 集にておいしいコーヒーを飲んでいるのが今。なぜおいしいかというと980円もするからね。いいじゃないですか、サイフォンで淹れてて。「おすすめは?」なんか聞いちゃったりなんかしちゃったところ、通常750円のホットではなく、980円の時節限定の豆をオススメされたおれ、やはりオーダーをして着丼☆DON☆。980円なんて肉食える値段であり、つまりはこのコーヒーはもはや肉である。肉を飲む。

クラッシックが流れる店内は暖色の照明に照らされてオレンジ。カップルやひとりのおじさまやら、男女3人ずつ、大学生ぐらいのテーブル。男性陣は冴えないけれども、この店を選んでお話をするなんてとても素敵なことでありとても楽しそうにおしゃべりをしているのを見たおれ、「ほほほ、善哉善哉」と口元に扇子をあてがい笑む。M。そんな大学生活を送りたかったがもう過去に戻れるはずが無いのは明白。どうあがいても昼バイト、夕方に研究室に向かい、ちゃんといますよアピールをして特に研究もせず、だらだらと過ごしていつの間にか卒業、なんか新卒で働いてやめて東京来て働いて今。東京は楽しい。たぶん。これからあるのは未来であり、直近の未来、今宵を素敵な夜にしたいわとおれ、モカマタリ(980円)を飲む。

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